ライフイベントの終着駅でもある退職のステージにおいても保険の使い方次第で善し悪しに分かれます。 人生の中で大きく関わる仕事場で、長ければ40年ぐらいの時間を過ごしてきた職場に別れを告げます。そして、そこで積み上げたものは大きく、退職後の人生に大きな影響をもたらします。 数十年前の退職後と言えば悠々とセカンドライフを過ごすのが理想としてありましたが、今の時代は理想より現実の厳しさを目の当たりにしている状態です。 退職後は退職金が入ることで大きなゆとりを得ることができるはずでしたが、昨今では住宅ローンをまとめて支払うケースや何かしらの借金返済などに充ててしまっています。そうなると現状の貯蓄と年金だけで生活をしていくことになります。 物価の上昇や金利の悪化などで思うようにはお金は増えなくても生活は普通にできる家庭は多いかと思いますが、思いもよらない事態で家計はいつでも破綻に追い込まれる状況にあります。 退職後となると60歳代になるかと思いますが病気のリスクは50歳代から一気に上がります。また、仕事をしていない分、体力や気力がどうしても落ちてしまうので病気になると治るのに時間とお金を失います。退職してからの方が不健康になるケースが多いのです。 そして、退職後も働いている方も沢山います。延長雇用にて働く人もいれば年金の支給額が低いのを補っている方もいます。ここでの問題点は働く環境にあります。延長雇用であれば恵まれた環境での職場に就けられますが、新たに働くとなると限られた職種での労働を強いられます。そうなると健康的とはかけ離れていき病気に近づいていきます。 こういった社会現象、社会環境の中で保険がどのような使い方があるかをご案内します。
既存保険加入の確認
どの段階でも言えることですが、ご自身が加入している既存の保険の確認をします。
自分が加入している生命保険は年に1回、年末調整で生命保険控除の関係で書類が届きます。
そこで自分が保険に加入していることは自覚できますが、どんな保障内容で保障金額までかは確認しない人がほとんどだと思います。
それだけ無関心ではないですが日々の忙しさに忙殺されているのが原因です。
この時点で確認することで自分が加入している保険の意味をはっきり理解される人も多いかと思います。
また、酷いケースだと保険契約が切れていたなども稀にありますので事前に既存保険の加入の状態をチェックがオススメです。
終身保険の設定金額などのチェックがポイント
この退職時での保険確認のポイントは終身保険の設定金額と定期保険や収入保障保険の契約期間チェックが重要です。
終身保険の保障は一生涯になるかと思いますが保障金額がどのくらいかで遺族に残すお金と生活で使う保険を計算するかと思います。
そして、定期保険と収入保障保険は自分の子供がそろそろ独立する年代になっていますので保険を残りの期間継続させるのか、どこかで見切りをつけて保険料支払いを歯止めにするかがポイントです。
死亡保障の確認
それでは死亡保障を備える終身保険のポイントもお伝えしておきます。
退職後の死亡保障となると子供への保障額はかなり減りますので保険金額は自分の葬式代ぐらいを目安にした最低限の保険設定で十分かと思います。
配偶者であるパートナーもご健在ならば自分が亡くなった後は遺族年金と貯蓄、自身の年金でやりくりはできるはずです。
退職後の死亡保障はかなり減らすことができるチャンスでもあります。
死亡保障が大きければ毎月、支払っている保険料も多かったはずです。
それが次の月からは、その分が貯蓄に回すことができるのは大きいと思います。
注意する点としては死亡保障がある保険の解約や見直しを怠らないことがここで大事になります。
病気とケガへの保障
退職後の多くは60歳代になるかと思いますが、一番気にかかるのは病気やケガだと思います。
40年間、一生懸命に働いてきた分、自身の体は悲鳴を挙げています。
特に持病などがあれば老いていくことで弱い部分への影響は大きくなっていきます。
そうなると治療費の問題が出てきますので病気への対策として医療保険の充実さを計るためにも1度、見直しをすることをオススメします。
ただし、この歳からの契約となると保険料は割高になっていきますのであまり積極的にならないほうが身のためでもあります。
病気と同様に心配なのがケガです。この歳になってケガ?と思いがちですが、意外に転びます。
そうなると足や腰などに将来的な不安要素を負担させることにもつながってきますので保険料に少し余裕があるなら傷害保険なども検討するのも一つです。
傷害保険は掛け金が年齢は関係なく、一律で途中で祝い金なども頂けるところもあります。
資金活用
保険を使って退職金を運用させることもできます。
保険の期待利回りを利用することで現在ある退職金を増やすことができ、万が一の事態の保障と元本保証が付いた資産運用ができます。
よくあるのが終身保険のケースで一生涯の保障に元本保証が付いたパターンがあります。
このケースなら万が一にも対応ができ、最終的に資産を増やすことができます。
退職後のライフスタイルは40歳、50歳と違って全く無理ができない状況です。
それは経済的にも体力的にもありますので、なるべく危ない橋を渡らずにリスクを回避できる選択を優先するのが退職後の資産運用の鉄則です。
まとめ
このように退職後に保険をどのように活用していくかですが目的に応じて沢山の選択肢があることに気づきます。
退職はライフイベントとしたら最後のステージですが、その先の人生はまだまだあります。
長い方で40年を生き抜く人もいますから長い人生として退職後も半分の人生が待っていると認識した方が良いかと思います。
経済的な面で言えば保険で大切な退職金などの資産を運用させることもできます。
保険であればリスクはゼロにはならないですが他の金融資産よりかは断然に安全に運用ができますし、健康的な部分でも医療保険を充実させておくことで病気への不安を一つ解消できることにもつながります。
退職後も保険の可能性を引き出させるために第三者への相談が必須と言えます。