60代になると昔で言えば定年です。本当にお疲れ様でしたと会社を退社してセカンドライフを悠々と過ごすのが今までの形です。しかし、時代は変わり60代でも現役で活躍する人が沢山いる世の中になっています。その形は様々で老後の資金が足りない方や借金がまだ残っている方、現役を楽しみたい方などライフステージは皆さんバラバラです。 また60歳になって、今さらと思わずに保険への取り組み方次第で後々、大きな差が出 てくることもありますので60歳からも保険の見直しをオススメしています。
終身保険
まずは終身保険から見ていきますと、本来であれば若い頃からコツコツと積み上げてきて、60歳ぐらいには満期でいつでも解約してセカンドライフに使用するのか最終的な自分の葬式代として残しておくのかという選択の方が多いかと思います。
60歳から終身保険に加入するとしたら月々の保険料はかなり高くなります。
例えば10年満期で70歳までの支払いで済ませるなら保険金が300万円のケースの場合だと月々2万円を超えます。
返戻率は104%近くになりますから銀行に預けるよりかは結果論的に見ると良いのですが、毎月の保険料の負担が大きい分、中途解約のリスクも負うことになりますから絶対にオススメとは言い切れないです。
また保険料を終身払いにした場合だと契約して数年で亡くなった場合にはメリットは大きいですが、長生きした場合だと受け取る保険金額をオーバーした保険料の支払いになります。
40、50代なら多少のリスクを抱えても乗り越える力はありますが70,80歳になってくると余計なリスクは普段の生活に大きな支障が出てきます。
しかも限られた生活費の中で保険料が2万円になってくるのは少し自殺行為に近いかと思います。
終身保険は一生涯の保障と貯蓄といった2つの車輪を持ち、掛け捨てではないので確実にお金は自分や受取人へ戻ってくる保険です。
またメリットとして預貯金との違いは非課税制度を使える部分です。
500万円に法定相続人の人数を掛けた金額ですから、かなりの大きな節税メリットを生み出します。
ここの部分が大きい方であれば60歳から財産を終身保険で運用する方向に持って行きます。
医療保険
医療保険に関しては病気へのリスクは最高潮になっていますので保険料の金額はMAXに近いぐらいではないかと思います。
実際に入院保障が1日10,000円で保険期間が終身、払込期間が終身でも月々9,000円近い保険料の支払いが求められます。
これが掛け捨てで毎月ですから年間で10万円以上ですとちょっと大きな負担になります。
50歳からの保険でも提示したように医療保障は充実させたい部分でもありますがコストが高すぎます。
そうなると、わざわざ医療保険を使わなくても自分で新たに治療費用に貯蓄をしていく方が賢い方法だと思います。
また、一番賢い方法は病気をしないためにも規則正しい生活と食事に気をつけることです。
定年退職をして延長雇用のケースであれば無理をせずに仕事もできます。
そうなると日々の過ごし方がとても大切です。
ここで気が抜けて体調を崩して病気がちの体質にならない為にも生活習慣に注意します。
がん保険
もう一つ考えておきたいのが、がん保険です。
がんの罹患率も60代は高くなっていますからがん保険の必要性はあります。
また若い頃のがんと違って長い闘病生活に入る可能性が高いので、がん保険の保障内容にも気をつけたいところです。
一般的ながん保険では保険期間が終身で入院保障が10,000円、診断給付金の100万円がついて保険料が月額8,000円ぐらいです。
がん保険はがんに特化した保障内容ですから他の三大疾病で入院や治療の場合には全く効果を表さないです。
そうなるとがん保険単体で加入するのか、三大疾病で加入するのか、現在加入している医療保険にがん特約を付けるのかで分かれます。
また、がん保険は診断給付金の100万円だけという選択もあります。
がんと診断されたら給付金の100万円が支給されて、そこから治療費や生活費の補填などをすることができます。
しかし、長期のがん治療には少し不向きな保障です。
がん治療には抗がん剤や放射線などの治療方法でがんに対抗していきます。
そうなると治療は長引いていきますから診断給付金も底をついてしまいます。
また、再発が多いがんですから1回しか受け取れない給付金ですと長期のがん治療には対応できないです。
また最近のがん治療は入院日数が少なく通院での治療が多くなってきていますので入院保障を厚くするぐらいなら通院特約や放射線治療などの保障を厚くした方が賢いと思います。
がん治療は今、ものすごく進歩しています。
昔は不治の病でしたが早期発見と治療方法の選択で完治する可能性が高いです。
更に10年後を考えたときに治る可能性が高くなるのならがん保険の使い方も変わってくるので、それを見越した保障内容を組んでおくのも一つの手段です。
緩和型の医療保険
最後に緩和型の医療保険についてお話しておきます。
持病を持っている方でも入れる医療保険としてテレビでもよくコマーシャルをしていますが幾つか注意点があります。
名前だけ聞くと持病を抱えている人にとったら救世主みたいな保険だと思いますが実は保険料が通常の医療保険より割高になっています。
これは当人も納得ができる部分ですがもう一つ気をつける点が所定の条件です。
契約時に持病を告知するかと思いますが、その持病以外での保障に限るといった条件がほとんどです。
それを確認せずに高い保険料を払って、いざ保障を受け取ろうと思ったら受け取れなかったケースがよくあります。
緩和型の保険は保険会社が手を差し出しているわけではないと思っておきます。
まとめ
このように60歳を過ぎてからの保険との付き合い方についてご説明しましたが、リスクが高い分、保険料が高くなるのはあたり前ですから、そこをどのように利用していくことが肝心です。
また保険を無理に利用しないことも大事ということです。
60歳を過ぎれば死にも近づいているのは間違いないですから保険を使うことでどのようなメリットが最後、受けることができるのかを冷静に分析して判断して頂きたいと思います。
また、60歳からのセカンドライフを有意義なものにするためにも生命保険の使い方は重要です。
まずは専門家に相談することをオススメします。